小学校での授業案(45 分 × 3 回)
文字を 1 つも打たずに、絵のカードを並べるだけで戦車が動きます。 「ここを変えたら、どうなる?」を何度も試せるので、失敗が次の一手のヒントになります。
この授業でできるようになること:
ブロックを上から順に並べて、思ったとおりに戦車を動かす。
うまくいかないときに、どこを直せばよいかを自分で見つける。
「もし〜なら」で、状況に合わせて動きを変える。
ねらいと、位置づけ
- 対象は高学年を想定しています。総合的な学習の時間や、クラブ・特別活動での使用に向きます。
- 小学校の学習指導要領がいう、プログラミングを体験しながら 「意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力」を身に付ける学習活動にあたります。 順次(並べる順番)と分岐(もし〜なら)を体験します。
- 教科での使い方(算数・理科など)は、先生の判断で組み合わせてください。この教材が用意しているのは、上の 2 つの体験までです。
3 回の流れ
| 回 | テーマ | ぼうけんのステージ | 身に付くこと |
|---|---|---|---|
| 1 | うごかす | 1-1 はじめの一歩 1-2 おいかけっこ 1-3 まとあて 1-4 スピナー | 順次。ブロックは上から順に読まれる。向きを変えてから進む |
| 2 | もし | 2-1 ねらって撃つ 2-2 はね返りに注意 2-3 近づきすぎない 2-4 はじめての撃ち合い | 分岐。「もし敵が見えたら撃つ」。きまりを 1 つ足すと、動きがどう変わるか |
| 3 | まもる | 3-1 よける 3-2 バリア 3-3 ばらまき弾をよけろ | 「もし〜なら、〜でなければ」。守る動きと攻める動きを切りかえる |
ステージは、クリアするたびに部品(ブロック)が増える作りです。 1 回で全部やりきる必要はありません。終わらなかったところから次の回を始められます(記録は同じ端末のブラウザに残ります)。
第 1 回「うごかす」の 45 分
| 時間 | 場面 | 内容 |
|---|---|---|
| 0–5 分 | 導入 | トップページに出る、本物の試合の再生を大きく映します。 「この戦車を、みんなが自分で動かせるようになります」と伝えます。 ゲームを開き、はじめの質問では 「🔰 はじめて」を選びます。 |
| 5–12 分 | いっしょに 1-1 | 先生が前で操作して見せます。①目標の文(「右にいる戦車の 2 マス手前まで行く」)を読む ②置いてあるブロックの「⬇ 下」を「➡ 右」に直す ③パレットから「⬆ 前に進む」を足す ④「🚀 挑戦する」。 ブロックは 0.1 秒ごとに、上から順に読まれることを、この場で伝えます。 |
| 12–30 分 | ペアで進める | ペアで 1 台を使い、「置く人」と「読む人」に分かれます(5 分で交代)。 1-2 おいかけっこ、 1-3 まとあて と進み、 早く終わったペアは 1-4 スピナー(3 本勝負のボス)に挑みます。 先生は、まず声かけ(下の表)で見守り、答えは教えません。 |
| 30–38 分 | 見せ合う | 2 組が画面を映し、「どのブロックを、どの順に置いたか」を説明します。 先生は「順番を入れかえたら、どうなる?」と問い返します (例:進むと止まるを両方置くと、あとから置いたほうが勝ちます)。 |
| 38–45 分 | ふりかえり | ノートに 1 行だけ書かせます:「うまくいかなかったとき、どこを直したか」。 次回は「もし〜なら」で、戦車がもっとかしこくなることを予告します。 |
ゲームの試合そのものは、1-1 はじめの一歩で 4 秒ほどです( 試合の長さの実測)。授業の時間を決めるのは、子どもが「置く → 見る → 直す」を回す回数です。
第 2・3 回の進めかた
| 時間 | 場面 | 第 2 回「もし」/第 3 回「まもる」 |
|---|---|---|
| 0–7 分 | 復習 | 前回のノートを見て、「うまくいかなかったとき、どこを直したか」を隣と話します。第 2 回は、1-4 まででまだのステージがあれば、ここで終わらせます。 |
| 7–15 分 | 新しい部品 | 先生が 1 つだけ見せます。 第 2 回は「❓ もし」と「👁 敵が見える」(2-1 ねらって撃つ)。 第 3 回は「そうでなければ」と「💨 弾がとんでくる」(3-1 よける)。 「敵が見えたら撃つ。見えなければ、探して動く」と声に出して読ませます。 |
| 15–35 分 | ペアで進める | 第 2 回は 2-1 から 2-4、第 3 回は 3-1 から 3-3 まで。順番どおりでなくてかまいません(どのステージも、いつでも挑戦できます)。 |
| 35–45 分 | ふりかえり | 「もし」の中身(きまり)を、自分の言葉で 1 つ書きます。第 3 回の終わりに、「作戦を 1 つ変えて、ためした」経験を発表します。 |
つまずきと、声かけ
「答え」ではなく、自分で見つけるための問いを返します。ゲーム自身も、答えを断定せず問いかける作りです。
| 子どもの様子 | よくある理由 | 声かけの例 |
|---|---|---|
| 「戦車が動かない」 | 「⬆ 前に進む」を置いていない。向きを変えるだけでは進まない | 「いま、戦車はどっちを向いてるかな? 進むためのブロックは、置けてる?」 |
| 「通りすぎちゃう」 | 目標(2 マス手前)の文を読んでいない | 「ステージの目標の文を、声に出して読んでみよう。どこで止まればいいのかな?」 |
| 「弾が出ない」 | 「💥 撃つ」を置いていない。または「もし」のきまりが合っていない | 「撃つブロックは、どこに置いた? そのきまりは、いま合っているかな?」 |
| 「くるくる回ってしまう」 | 向きを決めるブロックが複数あって、行ったり来たりしている | 「向きを決めるブロックは、いくつあるかな?」 |
| 「負けた」 | 相手の動きに合っていない | 「💡 ヒントを見てみよう。そのあと、ブロックを 1 つだけ変えて、もう一度」 |
「⬇ 下を向く」から始まるのは、わざと未完成にしてあるからです。「置いてあるブロックが、そのままでは足りない」ことを、最初の 1 回で体験させます。
評価の観点(例)
| 観点 | 見るところ |
|---|---|
| 知識・技能 | ブロックが上から順に実行されることを、自分の言葉で説明できる。「もし〜なら」のきまりを 1 つ置ける |
| 思考・判断・表現 | うまくいかなかったとき、直す場所を見つけて、変えて、もう一度試している。ノートの 1 行に書けている |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 負けても、ヒントを見てもう一度挑戦している。友だちの説明を聞いて、自分の作戦に生かしている |
評価は、画面に出るクリア数ではなく、ノートと発表の言葉で見ることをおすすめします。クリア数は、進み具合の目安です。
準備と、うまくいかないとき
- 1 人 1 台(またはペアで 1 台)の端末で、ブラウザでこのサイトを開きます。登録も、インストールも要りません。
- 先生は事前に、1-1 はじめの一歩を 1 回、自分でやっておいてください(5 分ほど)。
- 共用の端末では、授業の最後にガレージの「📤 書き出し」でファイルに保存します。ブラウザのデータを消すと、進み具合も消えます。
- タブレットでは、ブロックは指でドラッグできます。
- ゲームの言葉や操作で困ったときは、「こまったときのレスキュー隊」(症状から探せます)を見せてください。
もっと進みたい子には
- 1-4 スピナー や 2-5 スナイパー のボスに挑戦(3 本勝負で、まぐれでは勝てません)。
- ガレージで、クリアした作戦を自分の bot にして、アリーナの CPU と戦う。
- 中学生になったら、同じ作戦を Python でも読めます(中学校の授業案)。